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電池の安全な保存方法【セロハンテープはNG?】発火事故を防ぐ賢い対策

家庭に常備されている乾電池やボタン電池。いざという時に使えない、あるいは思わぬ事故に繋がるリスクがあるとしたら、その保存方法を見直す必要があります。特に「電池にセロハンテープを貼って保存する」という行為は、実は非常に危険です。本記事では、電池の安全な保存に関する誤解を解き、発火や液漏れ、誤飲といった事故を未然に防ぐための具体的な対策を徹底解説します。大切なご家族と財産を守るため、今すぐ実践できる正しい保存方法を学びましょう。

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1. 結論:電池のセロハンテープ保存はNG!その理由と正しい対策

多くの人が何気なく行っている電池にセロハンテープを貼る保存方法は、思わぬ火災や事故の原因となるため、直ちにやめるべきです。その主な理由は、セロハンテープの素材と特性にあります。

  • 絶縁性の不足と剥がれやすさ: セロハンテープはビニールテープに比べて薄く、絶縁性が低い上、粘着力が弱く時間の経過と共に剥がれやすい特性があります。特にプラス(+)とマイナス(-)の電極を覆っていても、わずかな隙間や剥がれによって電池同士や他の金属(クリップ、小銭など)と触れると、**短絡(ショート)**を引き起こすリスクが高いです。
  • 短絡による発熱・発火の危険性: 短絡が起こると、電池内部で急速に電流が流れ、異常な発熱が生じます。特に9V角形電池やボタン電池、リチウム電池は端子が近接しているため短絡しやすく、最悪の場合、発煙・発火・破裂に繋がり、火災事故に発展する可能性もあります。例えば、単三電池1本でも、短絡時には瞬間的に数アンペアの電流が流れ、発熱する恐れがあります。
  • 液漏れリスクの増大: セロハンテープは通気性が低いため、電池のガス抜き穴を塞いでしまう可能性があります。電池内部の圧力が上昇し、液漏れを引き起こす原因となることもあります。液漏れは機器の故障だけでなく、皮膚に触れると炎症を起こす危険性もあります。

代替となる正しい対策

セロハンテープの使用を避け、以下の方法で電池を安全に保存しましょう。

  1. ビニールテープでの絶縁: プラス(+)とマイナス(-)の電極部分を、厚手の**ビニールテープ(PVC製)**で完全に覆いましょう。ビニールテープは絶縁性が高く、しっかり密着して剥がれにくいのが特徴です。
  2. 専用ケースでの保管: 電池の種類やサイズに合わせて仕切られた、電池専用のプラスチックケースを活用しましょう。ケースに入れることで、他の金属との接触や電池同士の短絡を防ぎます。
  3. 個別のパッケージ保存: 元々電池が個別にブリスターパックなどで梱包されている場合は、開封せずそのまま保存するのが最も安全です。

(図・写真挿入示唆:セロハンテープとビニールテープの比較、ショートによる発熱の注意喚起)

2. 【比較】危険な保存方法と安全な保存方法

電池の保存方法には、リスクを伴う危険な方法と、安全を確保できる正しい方法があります。それぞれの特徴と、なぜそうすべきなのかを具体的に比較して理解しましょう。

危険な保存方法とそのリスク

以下に挙げる方法は、電池の短絡、液漏れ、発火といったリスクを増大させるため、避けるべきです。

  1. セロハンテープを端子に直接貼る:
    • リスク: 絶縁性が低く、時間の経過で剥がれやすいため、電極が露出し短絡の危険性が高いです。特にボタン電池や9V電池では、端子間距離が短いため非常に危険。
    • 発生しうる事態: 短絡による発熱、発煙、発火、電池の破裂。
  2. 裸のまま引き出しや缶にまとめて保管する:
    • リスク: 電池同士のプラス極とマイナス極が接触したり、引き出し内のクリップ、小銭、鍵などの金属製品と触れたりして、容易に短絡が発生します。
    • 発生しうる事態: 高温になることでの火傷、衣類や周囲の可燃物への引火、液漏れによる機器の腐食。
  3. 使用済み電池と未使用電池を混ぜて保管する:
    • リスク: 使用済み電池がわずかに電力を残している場合があり、未使用電池と混ぜることで短絡リスクがあるほか、異なる電圧の電池が接触することで液漏れや性能低下を引き起こす可能性があります。
    • 発生しうる事態: 液漏れによる周囲の汚染、電池寿命の短縮、機器の故障。

安全な保存方法とそのメリット

以下の方法を実践することで、電池を長期間安全に保存し、いざという時に確実に使用できます。

  1. 厚手のビニールテープで両極を絶縁する:
    • メリット: ビニールテープは厚みがあり、絶縁性が高いため、短絡を効果的に防ぎます。粘着力も強く、剥がれにくいので長期保存に適しています。
    • 具体例: 単3形電池なら、プラス極とマイナス極の両端を覆うように巻きつける。ボタン電池なら、側面を含め全体を覆うように巻きつける。
  2. 電池専用の保管ケースを利用する:
    • メリット: 個別に仕切られているため、電池同士の接触を防ぎ、短絡のリスクをゼロにします。埃や湿気からも電池を守り、液漏れ時の拡散も最小限に抑えられます。
    • 具体例: 100円ショップやホームセンターで数百円で購入可能。単3、単4、ボタン電池など、種類別に最適なケースを選ぶ。
  3. 購入時のパッケージのまま保存する:
    • メリット: 各電池メーカーが安全性と品質を考慮して設計した最も安全な状態です。衝撃や湿気、短絡から電池を保護します。
    • 具体例: 未開封のブリスターパックや箱入りの電池は、そのまま冷暗所に保管する。
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3. 電池の種類別!正しい保存方法と寿命を延ばすコツ

電池はその種類によって特性が異なり、適切な保存方法も変わってきます。それぞれの電池が持つリスクと、寿命を最大限に延ばすための具体的なコツを解説します。

アルカリ乾電池・マンガン乾電池

家庭で最も一般的に使われる乾電池です。

  • 適切な保管温度・湿度: **10℃~25℃**の常温、湿度30%~70%RHが最適です。高温多湿や極端な低温は避けてください。
  • 保管場所: 直射日光が当たらない、風通しの良い冷暗所に保管しましょう。例えば、リビングの引き出しやパントリーなどが適しています。夏の車内やストーブの近く、加湿器のそばなどはNGです。
  • 寿命を延ばすコツ:
    1. 液漏れ対策: 使用期限が近づいていないか、定期的に確認しましょう。機器に入れたまま長期間放置すると液漏れしやすいため、使わない機器からは取り出してください。
    2. 混在禁止: 未使用と使用済み、異なる種類の電池を混ぜて保管しないようにしましょう。
    3. 平均寿命: アルカリ乾電池は製造後約10年、マンガン乾電池は約5年が一般的な使用推奨期限とされています。

ボタン電池・コイン電池

小型で高出力なため、時計や電卓、小型医療機器などに使われます。端子が小さく、短絡リスクが非常に高い電池です。

  • 最大の危険性: 端子が小さく、少しの金属接触でも短絡しやすいため、個別絶縁は必須です。また、乳幼児が誤飲すると食道や胃で化学反応を起こし、重篤な損傷や死に至る危険性があります。
  • 保存方法:
    1. 個別包装・絶縁: 購入時のパッケージから取り出した場合は、必ずビニールテープで側面を含めて全体を完全に覆い、短絡を防ぎましょう。(図・写真挿入示唆:ボタン電池の個別絶縁例)
    2. チャイルドロック付きケース: 子供の手の届かない場所に保管することはもちろん、誤飲防止のためチャイルドロック機能付きの専用ケースの利用を強く推奨します。
  • 寿命を延ばすコツ:
    • 高温多湿を避け、湿度の低い冷暗所に保管してください。使用推奨期限は種類によって異なりますが、約2~5年が目安です。

9V角形電池

煙感知器や一部の医療機器に使われる特殊な形状の電池です。プラスとマイナスの端子が隣接しているため、特に短絡しやすい構造です。

  • 短絡リスク: プラスとマイナスの端子が上部に隣接しており、金属と少し触れただけでもすぐに短絡してしまいます。
  • 保存方法:
    1. 専用端子キャップ: 専用のプラスチック製端子キャップを利用するのが最も安全です。
    2. ビニールテープで完全に覆う: キャップがない場合は、ビニールテープで上部全体を完全に覆い、端子が露出しないように徹底的に絶縁してください。
  • 寿命を延ばすコツ:
    • 他の乾電池と同様、冷暗所に保管し、使用推奨期限(約5年)を確認しましょう。

充電池(ニッケル水素電池、リチウムイオン電池)

デジタルカメラ、ワイヤレスマウス、スマートフォンなどに使われます。

  • 特性: 自己放電があり、長期保存には注意が必要です。
  • 保存方法:
    1. 充電量の調整: 満充電での長期保管は電池劣化を早めるため、50%~60%程度の充電量で保管するのが理想的です。
    2. 低温での保管: 冷蔵庫など、比較的低温の場所が推奨されますが、結露に注意し、防水・防湿対策をしっかり行いましょう。
    3. 定期的な充電: 自己放電により自然に電力が減少するため、数ヶ月に一度は充電状況を確認し、必要に応じて継ぎ足し充電を行ってください。
  • 寿命を延ばすコツ:
    • 完全に放電しきった状態で放置しない。また、過充電も避ける。専用の充電器を使用し、メーカーの推奨する使用方法を守ることが重要です。

4. 電池保存で起こりがちな事故と具体的な安全対策

電池の不適切な保存は、日常生活における様々な危険を引き起こす可能性があります。具体的な事故例を知り、適切な対策を講じることで、未然に事故を防ぎましょう。

起こりがちな事故の事例

  1. 発火・火災事故:
    • 事例: 電池同士が裸のまま接触したり、金属製品(鍵、クリップ、ヘアピンなど)と一緒に保管されたりすることで短絡し、異常発熱。周囲の可燃物(紙、布、プラスチック)に引火し、火災に至るケースが報告されています。特にコイン電池や9V電池は短絡しやすいです。
    • 発生メカニズム: 短絡時に電池内部で急速な化学反応が起こり、温度が急上昇(数秒で100℃以上に達することも)。電解液がガス化し、内圧が上昇して破裂する危険もあります。
  2. 液漏れと化学物質による被害:
    • 事例: 古い電池、過放電の電池、異なる種類の電池を混ぜて使用・保管した電池などから、電解液が漏れ出すことがあります。
    • 被害: 液漏れした電解液は、機器を腐食させ故障させるだけでなく、皮膚に触れるとかぶれや炎症、目に入ると失明の危険性も伴います。
  3. 子供の誤飲・誤食事故:
    • 事例: 特にボタン電池やコイン電池は、小さく光沢があるため、子供が興味を持ち、誤って口に入れてしまう事故が多発しています。
    • 被害: 誤飲されたボタン電池は、食道や胃の粘膜に留まると体液と反応して化学やけどを引き起こし、短時間で穴を開けるなど、重篤な臓器損傷や後遺症、最悪の場合は死に至ることもあります。

具体的な安全対策

これらの事故を防ぐために、以下の対策を徹底しましょう。

  1. 全ての電池の端子絶縁を徹底する:
    • 対策: 未使用・使用済みに関わらず、全ての乾電池やボタン電池のプラス・マイナス端子を厚手のビニールテープで完全に覆いましょう。特に9V角形電池やボタン電池は露出部分が小さいため、側面も含めてしっかりと巻くことが重要です。
    • 理由: 金属部分が露出していなければ、他の電池や金属と触れても短絡することはありません。
  2. 電池専用の保管ケースを活用する:
    • 対策: 電池の種類やサイズに合わせて仕切りのある専用ケースを使用し、個別に収納しましょう。
    • 理由: 電池同士の接触や外部からの衝撃を防ぎ、液漏れや短絡のリスクを最小限に抑えます。
  3. 適切な保管場所を選定する:
    • 対策:
      • 子供やペットの手の届かない場所:特にボタン電池は、手の届かない高さやチャイルドロック付きの収納に保管してください。
      • 直射日光・高温多湿を避ける:室温10℃~25℃、湿度30%~70%RHが理想的です。エアコンの効いた部屋の引き出しやクローゼットの中などが適しています。
      • 火気・暖房器具から離す:ストーブやヒーターの近く、夏場の車内などは高温になるため絶対に避けてください。
      • 水気のない場所:キッチンや洗面所など、湿度の高い場所は液漏れを誘発する可能性があるので避けましょう。
    • 理由: 極端な温度や湿度は、電池の劣化や液漏れ、内部圧力の異常上昇を引き起こし、発火・破裂のリスクを高めます。
  4. 定期的な点検と早期処分:
    • 対策: 保存中の電池は、数ヶ月に一度は液漏れや錆、膨張がないかを確認しましょう。使用期限が過ぎた電池、あるいは明らかに劣化している電池は、安全に絶縁処理をして自治体の指示に従い適切に廃棄してください。
    • 理由: 劣化のサインを見逃さず、危険な状態になる前に処分することで、事故を未然に防ぎます。

(図・写真挿入示唆:液漏れした電池の拡大図、子供と電池の注意喚起ポスター)

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5. 電池を安全に保存する具体的な手順(写真で解説)

ここでは、ご家庭で実践できる電池の安全な保存手順を具体的に解説します。簡単なステップで安全を確保できるため、ぜひ今日から実践してください。

手順1:端子の絶縁を徹底する

使用する電池の種類に応じた絶縁方法を選びましょう。セロハンテープは粘着力が弱く剥がれやすいため、必ずビニールテープを使用してください。

  • 単3・単4形乾電池の場合: プラス(+)極とマイナス(-)極の両端に、幅広のビニールテープをしっかりと巻き付け、金属部分が完全に隠れるようにします。電池の側面には貼る必要はありません。
  • ボタン電池・コイン電池の場合: 電池全体を覆うように、ビニールテープを何重にも巻き付けます。特に側面が露出しないように注意してください。これにより、小さな電極が他の金属と接触するのを完全に防ぎます。(図・写真挿入示唆:ボタン電池の全面ビニールテープ巻き付け例)
  • 9V角形電池の場合: 専用の端子キャップがあればそれを使用します。ない場合は、上部のプラス・マイナス端子全体をビニールテープで完全に覆い、剥がれないようにしっかりと固定します。(図・写真挿入示唆:9V電池の端子絶縁例)

手順2:電池専用ケースに入れる

絶縁処理を終えた電池は、電池専用の保管ケースに収納しましょう。

  • 適切なケース選び: 電池のサイズ(単3、単4、ボタン電池など)に合った、個別仕切りがあるプラスチック製ケースを選びます。100円ショップや家電量販店で手軽に入手可能です。
  • 収納方法: 電池の種類や使用状況(新品/使用済み)を分けて収納すると、管理がしやすくなります。例えば、片側に新品、もう片方に使用済みを入れるなどルールを決めるのがおすすめです。(図・写真挿入示唆:電池専用ケースに収納された電池の様子)

手順3:適切な場所で保管する

電池の寿命と安全性を保つため、保管場所の環境が非常に重要です。

  • 理想的な環境: 冷暗所(温度10℃~25℃、湿度30%~70%RH)で、直射日光が当たらない場所を選びましょう。
  • 避けるべき場所:
    1. 高温になる場所: 夏場の車内、ストーブやヒーターの近く、電子レンジ・オーブン周辺。
    2. 多湿な場所: キッチンシンク下、洗面台下、結露しやすい窓際。
    3. 金属製品が密集する場所: 工具箱、アクセサリーケース、小銭入れの近く。
    4. 子供やペットの手の届く場所: 特にボタン電池は厳重に管理してください。

NG行為とその理由

以下の行為は、電池の事故リスクを高めるため、絶対に避けてください。

  1. 異なる種類の電池や新品・使用済みを混ぜて保管する: 電圧や内部抵抗の違いから液漏れや短絡の原因となるだけでなく、いざ使おうとした時に混乱します。
  2. 金属製の容器に直接入れる: 電池が容器の金属部分や他の電池と接触し、短絡するリスクが極めて高まります。
  3. 高温になる場所に放置する: 電池内部の化学反応が促進され、液漏れ、発熱、発火、破裂のリスクが大幅に増加します。

これらの手順とNG行為を理解し実践することで、安全な電池管理が可能になります。

6. 費用対効果:安全な保存具のコストと万が一の事故の代償

電池を安全に保存するためのツールは、決して高価なものではありません。しかし、そのわずかな投資を怠った場合、発生しうる事故の代償は計り知れません。ここでは、安全対策にかかるコストと、事故が発生した場合の損失を比較し、その費用対効果を明確にします。

安全な保存具にかかるコスト

安全な電池保存に必要なアイテムは、いずれも安価で手軽に入手できます。

  • ビニールテープ(PVC製):
    • 価格: 1巻あたり100円~300円程度
    • 効果: 高い絶縁性で電池の短絡を確実に防ぎます。粘着力も強く剥がれにくい。
  • 電池専用ケース(プラスチック製):
    • 価格: 種類や収納数によって異なりますが、1個あたり300円~1,500円程度。100円ショップでも手に入ります。
    • 効果: 電池を個別に収納し、物理的な接触や衝撃から保護します。液漏れ時の拡散も防ぐ。
  • ボタン電池用チャイルドロックケース:
    • 価格: 1個あたり500円~1,000円程度
    • 効果: 乳幼児の誤飲を物理的に防ぐための最終防衛ライン。

これらの合計費用は、多くても数千円程度に収まります。一度購入すれば長期間使用できるため、極めてコストパフォーマンスが高い投資と言えます。

万が一の事故がもたらす代償

電池の不適切な保存による事故は、目に見える物質的な損害に留まらず、人命や精神的な苦痛といった計り知れない損失をもたらす可能性があります。

  • 火災発生時の損害:
    • 物的損害: 火災が発生した場合、家具、家電製品、家屋そのものに数十万円から数千万円規模の損害が発生する可能性があります。火災保険でカバーできる場合もありますが、保険金だけでは失われたものの価値を完全に補填することは難しいでしょう。
    • 生活への影響: 仮に火災を免れても、消火活動による水損や煙による汚染で、家屋の大規模な修繕や一時的な転居が必要となり、多大な時間と費用、精神的負担がかかります。
  • 人命の危険と医療費:
    • 火傷・中毒: 電池の発火や液漏れによって、火傷を負ったり、有毒ガスを吸入したりする危険性があります。その治療には高額な医療費がかかり、後遺症が残る可能性もあります。
    • 誤飲事故: 特にボタン電池の誤飲は、食道や胃の損傷により緊急手術が必要となることがあり、治療費が数百万円に及ぶケースもあります。さらに、長期的な通院やケアが必要となる場合も少なくありません。
  • 社会的・精神的影響:
    • 近隣への影響: 自宅で発生した火災が隣家に延焼した場合、損害賠償責任が発生し、近隣住民との関係悪化や社会的信用の失墜に繋がります。
    • 精神的苦痛: 事故の発生は、ご本人やご家族に深刻な精神的ショックとトラウマを残します。

結論:わずかな投資で甚大な被害を防ぐ

数百円~数千円の投資で、発火、液漏れ、誤飲といった取り返しのつかない事故のリスクを大幅に低減できます。安全な保存具の導入は、単なる節約ではなく、**ご自身と大切な人々の命と財産を守るための、最も重要かつ費用対効果の高い「保険」**であると認識すべきです。

7. 「知らなかった」では済まない!よくある電池保存の失敗例と対策

電池の保存方法について「知らなかった」という理由で、様々なトラブルや事故が発生しています。ここでは、実際に起こりがちな失敗例とその原因、そして再現性のある具体的な回避策をご紹介します。

よくある電池保存の失敗例とその原因

  1. 失敗例1:テープを巻いたつもりでショートしていた
    • 原因: セロハンテープを使用していたため、粘着力が弱く時間の経過と共に剥がれてしまったり、薄くて絶縁性が不十分だったりして、電極が露出。他の金属や電池と触れて短絡を起こしてしまった。
    • トラブル: 電池の発熱、液漏れ、周囲の物が焦げる。
  2. 失敗例2:引き出しに裸でゴチャ混ぜにしていたら発熱した
    • 原因: 電池を個別に絶縁せず、引き出しの中に裸のまま他の小物(クリップ、小銭、鍵など)と一緒に保管していた。これらの金属が電池のプラス極とマイナス極に同時に触れ、短絡が発生した。
    • トラブル: 電池が熱くなり、触れると火傷しそうになった。引き出し内の紙類が焦げかけた。
  3. 失敗例3:液漏れに気づかず、機器や衣類を汚してしまった
    • 原因: 長期間同じ場所に放置していた電池の液漏れに気づかず、あるいは「少しだけだから大丈夫」と軽視していた。液漏れの原因は、電池の劣化、過放電、高温多湿環境、異なる種類の電池の混用など。
    • トラブル: 液漏れした電解液が機器を腐食させ故障させた。衣類や床に付着し、シミになって取れなくなった。皮膚に触れてかぶれた。
  4. 失敗例4:高温の場所に保管していて、電池が膨張した
    • 原因: 夏場の車内、ストーブの近く、直射日光が当たる窓際など、極端に高温になる場所に電池を保管していた。高温は電池内部の化学反応を促進させ、ガス発生や内部圧力の上昇を招く。
    • トラブル: 電池が膨らみ、破裂寸前になった。液漏れを伴った。
  5. 失敗例5:ボタン電池を子供が誤飲してしまった
    • 原因: ボタン電池を、子供の手の届く場所に無造作に放置していた。子供が興味を持ち、お菓子と間違えて口に入れてしまった。
    • トラブル: 救急搬送、食道や胃に重篤な損傷を負い、緊急手術が必要になった。

再現性のある回避策

これらの失敗を二度と繰り返さないために、以下の対策を徹底しましょう。

  1. 絶縁は「ビニールテープ」で「完全に」:
    • 対策: セロハンテープではなく、厚手のビニールテープ(PVC製)を使い、電池のプラス極とマイナス極(ボタン電池は全体)を完全に覆い隠すようにしっかりと巻き付けましょう。剥がれにくいように、粘着面を重ねて貼るのがコツです。
  2. 専用ケースで個別保管:
    • 対策: 電池は必ず専用の保管ケースに入れ、他の金属物とは一緒にしないようにしましょう。ケースは種類別に分け、新品と使用済みも明確に区別して収納します。
  3. 定期的な点検と早期処分:
    • 対策: 最低でも半年に一度は、保管している電池の状態を確認しましょう。液漏れ、錆、膨張、変形などが見られたら、安全に絶縁処理をして自治体の指示に従い速やかに廃棄してください。
  4. 適切な保管場所の厳守:
    • 対策: 電池は常に**冷暗所(10℃~25℃、湿度30%~70%RH)**に保管し、直射日光、高温多湿、極低温の場所は絶対に避けましょう。
  5. ボタン電池は「手の届かない場所+チャイルドロック」:
    • 対策: ボタン電池は、子供の目線よりも高い場所や、チャイルドロック付きの引き出し・収納ケースに入れるなど、二重・三重の対策を講じましょう。使用済み電池も同様に扱ってください。

これらの回避策を実践することで、電池にまつわるリスクを大幅に低減し、安全で安心な家庭環境を築くことができます。

8. 電池保存のよくあるQ&A

電池の保存方法について、多くの方が疑問に思う点についてQ&A形式で解説します。

Q1: 使用済み電池もテープを巻くべきですか? A1: はい、使用済み電池であっても必ず端子をビニールテープで絶縁してください。 微量の電力が残っている可能性があり、他の電池や金属と触れることで短絡、発熱、発火の原因となる危険性があります。回収日まで安全に保管するためにも、絶縁処理は必須です。

Q2: ボタン電池の正しい捨て方は? A2: まず、電極をビニールテープで完全に絶縁してください。その後、自治体によって「有害ごみ」「資源ごみ」など分別方法が異なりますので、お住まいの地域の指示に従って廃棄してください。また、一部の家電量販店や時計店では、ボタン電池の回収を行っている場合もあります。

Q3: 災害用の備蓄電池はどこに保管すればいいですか? A3: 災害用備蓄電池は、冷暗所(リビング収納、パントリーなど)で、かつ取り出しやすい場所に保管するのが最適です。電池専用ケースに入れ、液漏れや錆がないか年に1回程度確認しましょう。購入時に使用推奨期限を確認し、期限前に新しいものと交換するローリングストック法もおすすめです。

Q4: 子供が電池を触ってしまいました。どうすればいいですか? A4: 特にボタン電池の場合、誤飲のリスクが非常に高いため緊急の対応が必要です。

  • もし口の中に入れている最中であれば、すぐに取り出してください。
  • 飲み込んでしまった可能性がある場合は、直ちに病院(小児科)を受診してください。 その際、何の電池か分かるように、可能であれば電池のパッケージや製品を持参しましょう。自己判断で様子を見るのは非常に危険です。

Q5: セロハンテープ以外のNGなテープはありますか?ガムテープや紙テープは使えますか? A5: セロハンテープと同様に、布テープや紙テープ、ガムテープも電池の絶縁には不向きです。

  • 紙テープ・布テープ: 粘着力が弱く剥がれやすい、また湿気に弱いため絶縁性が低下しやすいです。
  • ガムテープ: 厚みはありますが、絶縁性が低く、粘着剤が経年でべたつきやすく剥がれやすい性質があります。 電池の絶縁には、絶縁性が高く、しっかり貼りつき、剥がれにくいビニールテープ(PVC製)が最も適しています。

9. 出典・参考

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