ギリシャ神話の中でも特別な英雄、ヘラクレスの誕生からその旅立ちまでの物語をお伝えしましょう。
あなたがおそらくよく知っているように、ヘラクレスはギリシャ神話において最も有名な英雄の一人です。彼の力強さ、彼の困難を乗り越える勇気、そして彼が経験した試練は、私たちが自分自身の困難を乗り越えるための勇気を与えてくれます。では、ヘラクレスの物語を始めましょう。
最初に重要なことは、ヘラクレスがただの人間ではないということです。彼は人間の女性アルクメネと、オリンポス山の神々の王ゼウスの息子だからです。
ある日、ゼウスは人間界を見下ろしていました。そのとき、美しい女性アルクメネを見つけ、一目で彼女を愛しました。彼は彼女の夫アムピトリオンに化けてアルクメネの寝室に忍び込みました。その結果、ヘラクレスが誕生する運命が始まりました。
ヘラクレスがまだ赤ん坊だったとき、彼の母親アルクメネはヘラの怒りを恐れて彼を森に置き去りにしました。彼女はヘラクレスの父親がゼウスであると知ったとき、ヘラの報復によって彼が危険にさらされることを懸念していたのです。
その一方で、ヘラクレスの父ゼウスは、彼の生命が危険にさらされていることを知り、彼の救出を命じました。ところが、その救出に向かったのは、なんとゼウスの妻であるヘラ自身でした。彼女はまだヘラクレスが自分の夫ゼウスの不貞の結果生まれた子であるとは知らず、赤ん坊が可哀想だと思い、彼を見つけて自分の乳を与えました。
女神であるヘラの乳には特別な力があり、それを飲んだ人間は死ななくなります。ヘラが知らず知らずのうちにヘラクレスにその乳を与えたことで、彼は不死の力を手に入れたのです。
その後にヘラは自分が助けた赤ん坊がゼウスの浮気相手の子供だったことを知りました。それに再び怒りが収まらず開く赤ん坊のヘラクレスをいっそうのことを殺してしまおうと猛毒の蛇を送り込みました。
ところがヘラクレスは生まれたばかりの赤ん坊にもかかわらず猛毒の蛇を手で軽々と握りつぶしてしまいました。これがギリシャ神話た最高の英雄ヘラクレス最初の逸話なんです。そうしてヘラクレスはたくましく成長していきました。肉体も知恵も誰よりも優れた英雄となったのです。
ところがヘラはヘラクレスが立派になればなるほど彼のことが憎らしくてたまりません。ヘラクレスが結婚し子供たちも生まれて幸せに暮らしていたときに、ヘラは呪いをかけました。その呪いによってくるってしまったヘラクレスは自分の子供たちのことを敵だと勘違いして次々と殺してしまいます。後に正気に戻ったヘラクレスはその光景に絶望し家を出て神様に救いを求めました。
有名な神殿まで旅をして神様にこう尋ねました。どうしたら息子たちを殺してしまった罪を償うことができますか。それに対して神様はこう告げられました。王様のもとで10個の仕事をやり遂げなさい。そうすれば、その王様仕える使えることになりました。
すると怪物を対峙するなど次々と偉業を成し遂げました。神様のお告げでは10個の仕事と言われていましたが、王様からは難癖をつけられて仕事は2つ追加になります。最終的に12個になったこの功績のことをヘラクレスの12の功業と言います。
- ネメアの獅子を退治する
- レルネーの九頭ヒドラを退治する
- ケリュネイアの金毛の牝鹿を生け捕る
- エリュマントスの猪を捕らえる
- アウゲイアスの牛舎を一日で掃除する
- ステュムパリデスの鳥を追い払う
- クレタ島の凶暴な牛を捕らえる
- ディオメデスの馬を奪う
- アマゾネスの女王ヒッポリュテの腰帯を奪う
- 牡牛の形をしたゲリュオン王の牛を盗む
- ヘスペリデスの金林檎を盗む
- 地下世界のケルベロスを地上に引きずり上げる
今回はヘラクレスの12の功業の内でも有名なヒドラ退治のストーリーについてお伝えします。ヒドラというのは巨大なヘビの怪物です。ヒドラと呼ばれることも多いです。ゲームや漫画などにもよく登場するので聞いたことがあるかもしれませんね。沼地に住むこのヒドラを退治してこいというのがヘラクレスに与えられた仕事の内容でした。
勇気あるヘラクレスはひるむことなく沼地を訪れました。沼地はヒュドラの毒により常に薄暗くう生き物は住めない死の沼と化しています。仲間に周辺を照らすように指示しながらその沼地を進んでいきます。すると奥の方に巨大な影が見えました。
それは頭が9つもあり口からは毒の息を吐く巨大な怪物です。これこそがヒドラでした。ヘラクレスはその恐ろしい姿にも動じることはなく手にした剣でヒドラの頭の一つを斬りつけます。人間離れした怪力によりヒドラの頭は切断されて宙を舞います。
ところが切られたばかりの首からあたらしい頭がすぐに生えてきます。それも切り落とした頭は一つなのに傷口から生えてきた頭は2つです。ヒュドラの恐ろしさは毒だけではなく実はこの再生能力だったのです。
これにはさすがのヘラクレスも頭を抱えます。その時仲間が言いました。新しい頭が生えてくる前に傷口を火で焼いてしまうのはどうでしょうか。えらくレスはこれを採用します
ヘラクレスが次々とキュドラの頭を切り落とすと仲間が傷口を焼いていきます。これが効果抜群で焼いた傷口からは再生することができないようでした。ヒュドラの頭はどんどん数が減っていきます。ついにヒュドラの頭は中央の一つだけになりました。
ところがこの頭だけは特別でヘラクレスが切りつけても切り落とすことができきません。そこでヘラクレスは近くにあった自分の身体よりも大きな岩を持ち上げてヒュドラの最後の頭に向かって投げつけ生き埋めにしたのです。
頭が一つだけになったヒドラは文字通り手も足もてないというわけでこうしてヒュドラ退治は成功したのでした。ちなみに大成功に見えたこの仕事ですが後から意地悪の王様にこれは仲間のおかげでうまくいったんだからヘラクレスの功績にはならないと難癖を付けられて仕事が追加されてしまったのでした。